令和8年熊本地震により被害を受けられた皆さまに、心よりお見舞い申し上げます。被災された事業者の方は、まず国・県の支援窓口をご確認ください。支援窓口を見る

熊本は、次を知っている県になった。

熊本県のBCP(事業継続計画)── 県内の災害リスクと、建物が無事でも事業が止まる経路を確かめるページです。

2026年7月28日、午後4時27分。熊本県熊本地方で、マグニチュード7.1の地震が発生しました。宇城市と氷川町で震度7、周辺の市町で震度6強。日奈久断層帯の区間が動いたとみられています。2016年4月から10年3か月。熊本県内で観測された震度7は、これで3回になりました。県内では断水、停電、道路や鉄道の被害が生じ、いまも復旧と余震への警戒が続いています。

2016年のとき、県内では約43万2,000戸が断水し、約10万戸で都市ガスが止まりました。建物が直っても、水とガスと道路が戻るまで、営業は再開できなかった。今回もまた、多くの会社が同じ問いの前に立ちました。何を止め、何を守り、何から戻すか。

それを揺れる前に紙にしておくのがBCPです。熊本県内で持っている企業は15.2%。今回は決めていなかった会社も、次までに決めることはできます。

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起きたこと、残っているもの

活断層は「いつか」ではなく「また」だった

日奈久断層帯は、国の地震調査委員会の長期評価で、日奈久区間と八代海区間が「地震発生確率が高い」とされていた断層帯です(2026年1月1日算定)。2026年7月28日、その一部が動きました。この地震の被害の集計は、県と消防庁が続けています(2026年9月時点)。

国の評価で日奈久断層帯は3つの区間(高野-白旗、日奈久、八代海)に分かれており、令和8年熊本地震の地震活動は、主に高野-白旗区間と日奈久区間に沿って分布しています(地震調査委員会・2026年8月12日評価)。地震活動は続いており、地震調査委員会は引き続き注意を呼びかけています。「今回で終わり」を前提にしない備えが、熊本の実務になります。

県内の主要活断層帯(国の長期評価)

地震調査研究推進本部は、主要活断層帯で起こる地震の発生確率を相対的な高さで区分しています。県内では、次の活動区間が最も高い区分(Sランク)にあります(2026年1月1日算定)。

この区分は、発生時期や個々の事業所の被害を予測するものではありません。国の評価の区分は、被害の大きさを意味しません。区分が低い断層でも地震は起こり、国は「ランク分けに関わらず、どの場所でも強い揺れに見舞われるおそれがある」と注記しています。自社の所在地と断層帯の位置関係は、県の被害想定と国のハザードマップで確かめてください。

断層の評価は定性表現で示しています。国(地震調査研究推進本部)は今後30年以内の地震発生確率が3%以上を「Sランク」と表記し、地震後経過率(前回の活動からの経過時間を平均活動間隔で割った値)が0.7以上の活断層には、ランクに「*」を付記しています。同じ表に載る雲仙断層群 南西部(北部)は長崎県に位置するため除いています。出典: 地震調査研究推進本部「熊本県の地震活動の特徴」(2026年1月1日算定)/同「今までに公表した活断層及び海溝型地震の長期評価結果一覧」(令和8年1月14日現在)注3

長期評価は算定基準日(2026年1月1日)時点のもので、令和8年熊本地震を受けた見直しは今後行われます。

水、ガス、川、山、火山

2016年の実績は、断水が約43万2,000戸(熊本市だけで約32.7万戸)、都市ガスの供給停止が10万884戸。工場や店舗が無事でも、水と衛生と従業員の生活が機能しなければ、再開はできませんでした。

2020年7月豪雨では、球磨川流域などで住家被害が7,400棟を超え、県内の被害額は約5,222億円にのぼりました。国道219号とJR肥薩線の分断は、年単位で残りました。地震で緩んだ地盤に、豪雨は毎年来ます。令和8年地震のあとの出水期は、まさにその重なる時期にあたります。

阿蘇山の噴火、降灰、立入制限は、観光、農業、交通、そして精密機器の吸気系に効きます。

個社の実務は、県のハザードマップと、事業所・倉庫・従業員宅・取引先・経路を住所単位で照合するところから始まります。

建物が無事でも、熊本の会社は止まった —— 2026年7月の記録

AIで生成したイメージ画像。渓谷に沿って走る道路と線路の空撮。
AIで生成したイメージ画像です(実在の風景ではありません)。

公式発表の事実だけを、時系列で置きます。

JASM(TSMC子会社・菊陽町、震度5強)。建屋の構造健全性は地震直後に確認されました。それでも第1工場は停止。「揺れが大きかったため装置の調整に時間を要する」。建物ではなく、装置の再調整が制約になりました。

ソニー熊本テクノロジーセンター(菊陽町)。発災直後に生産停止。8月4日から段階的に再開し、発災前の水準に戻るのは8月中旬の見込みと発表されました。約2〜3週間。2016年には全工程の再開までに数か月を要し、大きな損失を経て耐震強化を進めたうえでの、この期間でした。

ルネサス川尻工場(熊本市南区)・錦工場(錦町)。クリーンルームの環境は維持されましたが、川尻では壁面の亀裂と漏水で純水の供給を一時停止、錦では天井パネルが落下しました。

三菱電機(合志市・菊池市)。人的被害なし、建屋に大きな損傷なし。それでも安全確認のため操業を停止しました。

自動車への波及。部品メーカーの被災などで、トヨタとホンダは九州の工場を月内停止しました。熊本の部品が止まると、九州の外の車が止まります。

県全体。誘致企業515社のうち63社で、建屋や設備の被害が確認されています(県企業立地課・7月29日時点、調査中)。

初動の教訓。県内の大型商業施設では、避難がいったん完了したあとに館内へ戻った従業員が、地震後のガス爆発に巻き込まれて亡くなりました。「避難後は戻らない」という決まりはありましたが、全員には徹底されていなかったことが報じられています。計画は、書いてあるだけでは人を守りません。全員が知っていて、守れる形になっていて、はじめて計画になります。


揺れの被害を免れた会社にも、この数週間で「取引先が止まった」「物流が乱れた」「従業員が出社できない日があった」はあったはずです。それを次に活かす形が、BCPという1枚のたたき台から始まります。

二つの読者へ

「今回は軽微だった」会社へ

帝国データバンク 熊本県版の調査(2026年8月3日公表・調査は2026年5月18〜31日)では、県内企業のBCP策定済みは15.2%、未策定は40.6%。全国の21.4%に対し、6ポイント以上低い水準です。調査は県内368社を対象に138社が回答したものです。調査は地震の前に行われたものです。回答企業群の値であり、県内全事業所の推計ではありません。

2016年を経てなお、15.2%。「経験したから備えている」は、自動的には成立しません。経験を計画に変換する作業が挟まらない限り、10年で記憶は薄れます。

策定していない理由の全国上位は「スキル・ノウハウがない」「人材を確保できない」。最初の一歩として、BCP-AIで初版を作るところから始められます。今回、決めていなくて困ったことを、1枚に書き出すところから。

作ったが、動かなかった会社へ

7月28日、午後4時27分。計画どおりに動けましたか。安否確認は何分で揃いましたか。「避難後に戻らない」は、全員が知っていましたか。余震が続く中の再開判断は、誰が、何を基準に下しましたか。

動かなかった箇所こそ、最良の改訂素材です。記憶が新しいうちに、実際に起きたことをもとに計画を上書きする。発災後の県だけが持てる「実地検証済みの改訂」です。

熊本の支援先

令和8年熊本地震の被災事業者支援。国と県の支援策(グループ補助金、持続化補助金の災害枠、特別相談窓口、雇用調整助成金の特例など)は、公開時点の最新情報を支援窓口で確認してください。

事業継続力強化支援計画。商工会・商工会議所と市町村による、県認定の枠組みです。身近な伴走先になります。

事業継続力強化計画(ジギョケイ)。国の認定制度。熊本県内の累計認定は1,100件を超えています(令和8年7月末時点)。復旧投資とあわせて、税制措置と補助金審査上の加点を検討する価値があります。

BCP-AIで作った初版を持って、商工会・商工会議所や県の窓口に相談することもできます。

事業継続力強化計画の認定や、補助金・融資などの可否は、各制度の要件と審査によります。BCP-AIで作成した計画がそれらを保証するものではありません。本ページの認定件数は、BCPを策定した企業の割合や利用者数とは別の数値です。

AIで生成したイメージ画像。用水路と畑に面した白い工場と走るトラック。
AIで生成したイメージ画像です(実在の風景ではありません)。

BCP-AIは、所在地や業種などの質問に答えるだけで、自社のBCP(事業継続計画)の初版を作成できます。

次を前提に備える。最初の草案は、今日作れます。

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